キョンシーの世界 道教の歴史と内容(リマ) 

れいげんどうし

【霊幻道士~キョンシー~のポスター】

1.『錬金術 仙術と科学の間』吉田光邦
2.女道士の昇天、仙女となる。
のつづきです。

中国の章には、不思議な薬の話がいろいろ出てきますが、
仙薬とか普通の金属を黄金に変える方法には、興味がないので省きます

・中国の超能力者は道教を学んでいた 

この本で紹介されたような不思議な術を使っている人たちは、道教を学ぶ人々、道士でした。

映画「霊幻道士~キョンシー~」(中国版ゾンビ)も道術を扱った映画です。
漫画「封神演義」もそうですね。

中国の思想の基本として儒教があることは誰でも知っていますよね。
その儒教が日本に伝えられて武士道など、日本人の思想をつくる重要な要素となっています。

しかし、道教は日本にはそれほど知られていませんでした。

中国では、儒教は貴族やインテリたちのものであり、一般庶民は道教を信じていました。

道教は彼らにとっては、民間信仰であり、宗教そのものでした。

・道教の世界観 

【道教の神様たち】

上天に彼岸の世界があり、そこには超自然的、超現実的な神の帝君がいて、人間界すべての出来事をじっと見ているのです。

司命(しめい)という役の神もいて、現世の人間それぞれの生命の長さもちゃんと記録され、予定されているといいます。

あらゆる現実の世界は、それらの超越的な力を持つ神々によって支配され、決められていました。

ただその神々のメガネにかない、神の意に合う修行をした者のみが
神仙となって天に上り、神々の世界である仙界に生きることができるのでした。

・道教の歴史 

道教の内容は極めて複雑であって、多くの派に分かれていました。

老子の思想や、中国皇帝の始祖とされる黄帝を崇拝することは、儒教が国家の中心思想となった漢代からすでにあったようです。

道教の一派、後漢の時代の五斗米道(ごとべいどう)の派、太平道(たいへいどう)、黄巾の乱などは、歴史で習ったので言葉くらいは知っているかもしれませんね。

5世紀にインドから仏教は入ってきた頃、北魏(ほくぎ)の皇帝が道教を熱心に信じ、保護しました。

そして、儒教、仏教、道教の三教が中国の教えとなったのです。

・道教の内容 

【老子】

道教の内容を大きく分けると次の4つになります。

第一は、黄帝、老子、荘子などの思想。
黄帝の著作などは現実にはないから、中心となるのはいわゆる老子、荘子の思想でした。無為にして自然、清浄の人生を解き、
その人生は静寂な天がいつも啓治を与える人生でした。
天意のままに生きること。それが人生の理想です。

第二は、辟穀(へきこく)穀物を食べないで、
導引(どういん)養生法、体操で体のバランスを保つ生活を送り、
ついには神仙となって昇天することを目標とします。

第三は、符籙(ふろく、神符、お札)付録を重んずる派です。
紙に霊力のある文字や語句を記したお札。
神秘な言葉を記したお札の力で不思議な力を発揮しようとしました。

第四は、錬金術そのもの
さまざまの金属や鉱物類を操作して丹薬と呼ばれる薬を作り、
その薬の力で神仙となって昇天し、あるいは鉛や水銀から金銀を作り出すのでした。

中国道教の全ての経典は『道蔵』(どうぞう)といわれる大シリーズになっています。

道教のあらゆるグループの経典がこのシリーズの中に収められているそうです。

日本の陰陽道修験道は、道教の影響を受けているといわれています。

そのうち、つづきます。

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この記事はHAPPYリマのスピリチュアルノートからの転載です。

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